かぶり内に設置した止水材は「シーリングに頼らず」漏水と鉄筋の腐食から長時間に渡って守ります。中性化の進行が速い建築構造物だからこそ、コンクリート内部でしっかりと止水します。 欠損を兼ね備えた止水材と誘導鉄板により、必要欠損量を簡単に調節できます。また、バネ材によるワンタッチ固定で、誰でも簡単かつ正確に固定する事が可能です。
※化粧目地には止水効果がございません。
ARタイプ本体を固定するバネ材。本体をガイドにスライド式で簡単位置調整。鉄筋にはバネを利用してワンタッチ固定。
ARタイプ本体を簡単に固定できる金物です
【対応鉄筋径:D13~19用】※対応鉄筋径などのご要望に応じます
KBスプリング取付け方向の動画はこちら
誘導鉄板を固定するバネ材。各鉄板幅に合わせた各サイズを用意。鉄筋にはバネを利用してワンタッチ固定。
誘導鉄板を簡単に固定できる金物です
KB目地のみでは断面欠損率が足りない場合に使用。3種類の巾で各壁厚に対応。固定はプレートホルダーで簡単固定。
※上記以外の鉄板幅が必要な場合はご相談下さい
ひび割れ誘発目地は、コンクリートに弱い箇所(断面欠損部)を計画的に作り、無対策ではランダムで入るひび割れを計画した箇所に誘発させることが目的です。
紙で例えるとわかりやすいのですが、1枚の紙を両手で引っ張ると、どこで破けるか予想できません。
この紙にミシン目を入れると、その位置で破けやすくなります。このミシン目の役割がひび割れ誘発目地です。
ここで重要になるのが、このミシン目(断面欠損)をどれだけ入れるかになります。断面欠損が少ないと綺麗に破れづらく、ひび割れが逸れてしまう為、適切な欠損量が必要になります。
日本建築学会 マスコンクリートの温度ひび割れ制御設計・施工指針・同解説抜粋
部材断面が大きなマスコンクリートでは、一般的な壁のようにかぶり部分に誘発目地を設置しただけではひび割れを誘発する事は難しく、ひび割れを確実に集中させるためには、比較的大きな断面欠損が必要である。
断面欠損率の目安としては、土木学会コンクリート標準示方書では50%程度、JCIマスコン指針では40%程度以上としており、設置間隔はそれぞれの打ち込み高さの1~2倍を目安としている。
鉄筋コンクリート造建築物の収縮ひび割れ制御設計・施工指針・同解説抜粋
ひび割れを誘発目地位置に、確実に集中させるための「壁厚に対する断面欠損率」は、壁厚の20%以上必要であると判断される。できれば壁厚の25%以上確保する事が望ましい。
断面欠損率の算定方法(例)
壁厚 W=450mm・断面欠損率40%以上の場合 450mm(W寸法) × 40% = 180mm(必要欠損量) = (20mm + 20mm + 50mm) × 2 ※日本仮設叶эァ 断面欠損率 40%
おすすめの断面欠損率
一般的に、建築構造物の断面欠損率は20〜25%程度とされることが多く、この範囲では十分にひび割れを誘発できない例が多いと聞こえてきます。断面欠損率が低いと、意図した位置でひび割れが誘発せず、結果として無秩序なひび割れが発生する可能性があり、対策として目地間隔を標準的な3mから半分の1.5mとする現場もあるようです。ひび割れを誘発させるには40%以上の断面欠損率を採用することが望ましいと弊社では考えます。
KB目地ARタイプ本体は止水材と断面欠損材を兼ね備えており、誘導鉄板との組合せで欠損率を自在に調整できます。
建築構造物における止水性能は、内部への「漏水防止」に重きを置く傾向にありますが、それと同時に「鉄筋腐食防止」が重要であり、その為にはかぶり厚内で止水するのが大事であると考えます。 また、シーリング材は経年劣化により止水性能の低下が懸念されます。
KB目地ARタイプはコンクリートのかぶり厚内で長期的な止水性を確保し、かつ上記で述べた断面欠損量の向上を図る新時代の誘発目地です。