セメントの水和熱や外気温度などによる温度変化など、外力以外の要因により変化が生じ、変形が拘束されるとひび割れが発生することがあります。このようなひび割れをあらかじめ定められた場所に集中させる目的で、断面欠損部を設け、ひび割れを人為的に生じさせるのが、ひび割れ誘発目地です。
日本仮設の土木用誘発目地材「KB目地」は、化粧材・欠損材・止水材を一体とすることで、コンクリート打設後に取り外す必要が無い、コーキング不要の誘発目地です。
従来工法の一般的な表面処理方法は、目地棒などを配置し、型枠脱型後にはこれを取り外し、欠損部をシーリング材などでコーキングする必要があります。これでは作業工程が多く、非常に手間が掛ります。KB目地は、型枠脱型後も取り外す必要が無く、コンクリートに埋設しておけるためコーキング処理が不要です。
KB目地は、型枠に専用の樹脂ボルト(KB軸)を蝶ナットで固定し、型枠脱型後はこれを折り取ります。又、誘導鉄板の固定も、専用の金具(KBホルダー)を使用することで、難しい技術を要しません。そのため、従来工法にある釘打ち・結束線固定などの、熟練度による品質のばらつきが生じず、誰でも簡単にそして均一に固定出来ます。
KB目地は、様々な躯体形状がある中お客様のご要望に合わせ、加工品を工場出荷しています。そのため現場での加工が減少します。コーキング処理が難しくなるハンチ部やコーナー面取り部でも、均一な品質とすることができます。 →役物についてはこちら
シーリング材によるコーキングでは、経年劣化が進むと脱落・剥離の恐れがあります。 KB目地はコーキング自体が不要で有り、特殊形状によりガッチリとコンクリートに食い込むので脱落の心配がありません。又、KB目地の表面は衝撃や乾燥に強い軟質樹脂を採用しており、目地部の劣化を抑えます。その耐久性は、20年以上の実績により確認されています。 →経年変化状況についてはこちら
シーリング材の経年劣化は、止水性能の劣化にも繋がります。 KB目地A(止水)タイプは、コンクリートと接触する特殊ブチルゴムが、コンクリートと化学結合することで、止水性を確保します。耐水圧試験(当社試験方法)では0.5MPaの水圧でも漏水しないことを確認しました。 →止水性能試験についてはこちら
ひび割れ誘発目地は、適切な断面欠損率を確保することが、誘発効果を発揮するうえで重要になります。コンクリート標準示方書によると「断面欠損率は50%程度以上とするのがよい」と明記されており、日本仮設では50%でご提案しております。 KB目地は壁厚に応じて、誘導鉄板のサイズを組合せ調節することで、しっかりと断面欠損率を確保します。 →断面欠損率についてはこちら
適切に断面欠損率を計画しても、これを計画通りに設置出来なければ意味がありません。鉄板が曲がっていたり、表面目地材との位置がズレていたりすると、せっかく誘発したひび割れが、躯体表面では命中しない恐れがあります。 従来工法での結束線や溶接による固定では、取付精度に熟練度が大きく左右し、徹底した現場管理が必要となります。KB目地は取付が非常に簡単で、誘導鉄板を固定するKBホルダーは、ボルト固定であるため微調節も可能となり、ひび割れを確実に命中させます。
コーキングで美しい仕上げを行なうには、熟練を要し、ゴミなど汚れの付着に管理が必要です。 精度の高い加工品は仕上がりを美しくし、コンクリートに近い色合いを採用した表面材により、構造物の美観を損なわないように配慮しています。 様々な躯体形状に合わせ工場出荷され、取り付けが簡単なKB目地は、誰でも簡単に美しい仕上がりに出来ます。 →施工例はこちら